飽和する趣味に溺れる、とある奈良県民の徒然趣味日記。

ムーヴカスタム X Hyper SAⅡ 走行性能レビュー【長距離走行編】

2016年4月23日

 新車購入より約2ヶ月。色々と予定をまとめつつようやく時間が取れたので、待望の長距離走行時の走行性能レビューをしようかと。
 ムーヴカスタムで長距離走行をする機会は近年ではほぼ友人との旅行か法事のための鳥取帰省時程度なので、こうしたカタチで長距離ドライブするなんて考えてみれば生まれて初めてかも。

 今回目的地に設定したのは、和歌山は南紀白浜に位置する「とれとれ市場」。その昔友人と勝浦のホテル浦島へ旅行に行った際、海の事故で脚の側方靱帯断裂した時以来の来訪。懐かしい……

 何とも忌まわしい記憶ではあるけど、あの事故がなけりゃこうして 30kg 減量果たしていることもなかったわけで、そう考えると色々と人生の転機になった事故だった(笑)

ルートは京奈和自動車道から阪和自動車道へと至る、奈良-和歌山間走破にて

 今回設定したルートは西名阪から阪和自動車道へと入る定番ルートではなく、完全開通はまだ先ではあるが部分的には随分と開通して利便性が高くなってきた京奈和自動車道から阪和自動車道へと入るルートでとれとれ市場まで向かうことに。

 大まかなルートを挙げると、

  1. 西名阪から郡山ICで京奈和自動車道へ入り、橿原北ICまで南下
  2. 一般道(国道24号線)を抜け、橿原高田ICから再び京奈和自動車道へ入り、御所南ICまで南下
  3. 一般道(国道24号線)を抜け、五條北IC再び京奈和自動車道入る
  4. 現時点での京奈和終端となる岩出根来ICまで走行後、一般道(国道24号線)へ降りる
  5. 和歌山ICから阪和自動車道へ入り、南紀田辺ICまでひたすら南下
  6. 南紀田辺ICで一般道(国道42号線)へ降りたら、そのままとれとれ市場へ

 概ね上記のようなルートで、走行距離は片道約 173km、往復で約 346km となり、大体鳥取帰省時の約片道分の総走行距離。

 京奈和はまだ完全開通には至らず、ちょくちょく一般道を経由してしまうため、時間的に言えば西名阪から阪和自動車道へ抜けた方が若干速く到達できる。
 が、京奈和自動車道はまだ無料で走行可能なため、数十分の時間的ロスさえ許容できるなら、阪和自動車道分の料金しかコストがかからないので、お財布に優しいルートではある(笑)

 ちなみに現時点でのナビの地図データだと、まだ京奈和自動車道が岩出根来ICまで至っていないため、あんまりナビを頼りにできなかったり……そのため今回はタブレットの Nexus7 に地図データを入れておいて、不明な部分はそっちを頼りにすることに。

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 本日は数日前の天気予報から一転して午前中は綺麗に晴れてくれたし、前日に母親が洗車してくれていたため、非常に爽やかな気分で走行スタート。

まずは初走行となる、京奈和自動車道 橿原高田IC-御所南IC 間

 郡山IC から橿原北IC まではイオンモール橿原アルルなどへ赴く際に数え切れないほど通過しているが、その先へと至る京奈和ルートは今回初走行。

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 自転車では工事期間中からちょくちょく近くを通っていたが、実際に自動車で通過するのは初めてとなる橿原高田IC-御所南IC 間。

 今回は走行レビュー以上に、この新開通した京奈和自動車道区間を通ってみたかったのも大きかったり。

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 御所南IC で一度国道24号線へと降下。

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 ここで西へと向かい、室交差点で国道24号線をひたすら南下して、五條北IC で再度京奈和自動車道へと入る。その後は現時点での終端となる岩出根来IC まで 50km 程京奈和自動車道が続く。

 その後は国道24号線を通って阪和自動車道へと和歌山IC から入り、ひたすら南下して南紀田辺IC で降下、そのまま国道42号線に沿ってとれとれ市場まで至ることになる。

残る京奈和の五條北IC~岩出根来IC、そして阪和自動車道の和歌山IC~南紀田辺ICはほぼ一直線

 よって特に写真に残すこともなく、あっという間に通過してしまった残りの道程(笑)

 実際には京奈和自動車道終端の岩出根来IC から阪和自動車道への和歌山IC までは一般道の国道24号線をしばらく通過するが、こちらも基本はほぼ一直線のため迷うことはない。
 まぁあっという間とは言え残りの道程でも 80km 近くはあり、また南紀田辺IC で降りてからとれとれ市場までも一般道通りなので、スムーズに言ってもここからさらに1時間強はかかった。

 加えて今回は初走行のルートのため何度が迷ったり、途中休憩を何回か挟んだこともあって、実際かかった時間は片道約3時間。一切休憩も渋滞も無いとするなら、うまくいけば2時間とちょっとぐらいだったかと。

ムーヴカスタム X Hyper SAⅡ 長距離走行性能評価

 奈良は法隆寺から和歌山の南紀白浜とれとれ市場までの片道約173km で体感したその長距離走行性能を素人なりに分析してみた。

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加速性能はまずまずだが、高速走行時の安定性は前モデルよりも格段に上がっていた

 今回のルートは全体的に京奈和自動車道前半部分以外ほぼ坂道のない平坦な直線ルートで、しかも渋滞もなく天候も風のない穏やかな1日だったため、非常に理想的な環境での加速性能のチェックができた。

 ムーヴカスタム X Hyper SAⅡの加速性能は、前モデル(前所有車の第4世代ムーヴカスタム)に比べると、特筆して進化したような感覚は得られなかった。
 CVT 独特の加速感は相変わらずで、60km ~ 100km ぐらいまでの加速が特にアクセルの踏み込みとは比例しないような鈍い感覚が強く、登坂となればすぐに減速してしまうのも馬力不足の軽ならでは。

 だがそんな加速性能の進化の乏しさなんて気にならないぐらいに驚いたのは、高速走行時の車体の振動や発生するノイズ量が前モデルに比べて極めて減少していることだった。

 とにかく高速走行時の安定性が、どれを取っても前モデルよりも高い。そりゃあ2世代前の、それも幾度となく事故と修理を繰り返した車と新車を比較するのは酷なのは分かっているけど(笑)
 しかし前モデルよりもホイールベース長は短くなっている、つまり理論上は居住性や直進安定性が低くなるはずなのに、そんなもんは気のせいだと言わんばかりの安定性の発揮は見事のひと言。

 最初購入した時にも遮音性能の高さには気付いていたけど、まさか高速道路特有のあの風圧音やロードノイズなどがごっそりと減少しているのはかなりびっくりした。
 前車だと高速道路じゃいくら音楽の音量上げても聞きづらかったのが、一般道と変わらぬ音量のまま高速に突入しても音量を弄る必要がないというのは、音楽をひたすら垂れ流すのが好きな人間にとっては大きな評価ポイント。

 特にカスタマイズ無しのメーカー出荷デフォルト状態でコレなのだから、もし遮音性能を向上させるべくカスタマイズ入れたら一体どれほどのものとなるのか……

身体を横から包み込むようなシートで疲労も大きく軽減……かと思いきや

 ムーヴカスタム X Hyper SAⅡ のシートはスポーツ仕様を彷彿とさせる、横から身体を包み込むような若干スポーティな形状のシートとなっており、これは単純に言えばしっかりと身体を固定して高速走行時の G による負担を軽減する効果があるもの。
 たかだか軽自動車の加速で発生する G ではその恩恵に預かることはほぼなさそうだが、少なくとも疲労を軽減する効果はいくらかあるはず……と考えていた。

 実際にシートのクッション性や身体の固定具合、そして助手席よりも若干広めに設計されている運転席のシートは座っていて悪い心地はなかったのだが、実際にとれとれ市場まで運転してみたところ、

 なぜか身体がところどころ痛んでいる

 もちろんまだこの新車で走り慣れていない、というのもあるかもしれないが、これが結構ショックだった……事実前車で鳥取まで訪れた際には、日帰り往復したところでここまで疲れたり身体が痛んだ経験は記憶にある限りなかったはず。

 これはシートの形状や素材などが原因なのか、それとも走り慣れていないのが原因なのか、これからも何度か長距離走行を重ねて行かない限り何とも言えないが、どうか後者が原因であってほしいところ……

 ちなみに近距離(100km 前後)走行では特に今回のような疲労を感じることはなく、実に快適な座り心地を体感できた。
 今回はいつもの鳥取行きほどこまめな休憩を入れることなく突っ走った部分もあったので、そこら辺も多少影響しているものと思われるが、さて……

 シートの座り心地については、また少しシチュエーションを考えながら評価を続けていきたいかと。

想像以上にお役立ちのオートライト機能

 今回走行した阪和自動車道には複数の、しかも中には 4km 級という長大なトンネルもあったが、そこで思っていた以上に役立ったのがオートライト機能。
 オートライト機能とは早い話が周囲の明るさに応じて自動的にヘッドランプを ON/OFF してくれる機能で、これを使えばトンネルごとにヘッドランプを手動で ON/OFF しなくていいということ。

 たかだがランプのスイッチぐらい、大した手間なわけが……と思いきや、

 このわずかな手間の省略、これが凄まじく便利

 特に今回のように多数のトンネルが連続するような場所だと、その真価を存分に発揮してくれる。今回でさえその便利さに打ち震えたのだから、これが総トンネル 34 という狂気のトンネル天国・鳥取自動車道ならば一体どれほどの恩恵に与れるのか……今から超楽しみだ(笑)

 ちなみにこのオートライト機能はエンジンを切って運転席ドアを開けると自動消灯もしてくれるので、まさに至れり尽くせり。夕方で少し暗めになったら取りあえずオート機能を ON にしておけば、ライトの付け忘れになるなんてこともなくて非常に便利。

 ただ、全てにおいてパーフェクトかと言えば決してそうではなく、

  • 自動でのライト点灯までに若干のタイムラグがある
  • 信号停車等の場合は手動でランプを落とす必要がある

 という、欠点とは言えないまでも少し改善を希望した部分もあるにはあったりする。でもトンネルのような明暗が急に変化する場所に時速 100km で突っ込めばそりゃあセンサーが反応するのにラグがあって当然のような気もしないでもないが(笑)

満足:不満= 7:3 の長距離走行性能、今後の課題として考えたいことは

 ムーヴカスタム X Hyper SAⅡ の長距離走行は、660cc を限界と定められている軽自動車であることを鑑みればかなり良い走行性能を有していることは疑いない。
 が、それだけにあともう少し、もう一歩だけ踏み込んで前モデルよりも改良・改善して欲しかった部分もある程度浮き彫りになってくる。

 前モデルと比較すれば直進走行性は悪くなく、高速走行時の安定性もその重量、サイズからすれば非常に高い。下手に振動を拾って不快にさせることも少なく、外部ノイズの低減に関しては感嘆の息さえ漏れるほど。
 だけど加速性能に関してはどうしてもアクセルの踏み込みに反比例するかのような微妙な「重さ」の存在は否めず、アクセルブレーキ位置の見直しにより運転者とハンドル周辺の位置関係が微妙に変化した運転席周りは、しっくり来る人にとっては非常に快適な位置関係になっているが、そうでないとわずかばかりの滲み出るような「窮屈さ」が長距離走行では結構身体に効いてくる。

 もしかしたら今回感じたシートの座り疲れは、ここら辺も関係しているのかもしれない。やはり前モデルのムーヴカスタムに乗り慣れていて、どうしても無意識に比較してしまうというのも影響しているだろうし……

「軽自動車に快適性を求めるな」「軽で高速道路を走るな」という意見も多いだろうが、もはや今の時代の軽自動車は既に前時代のそれとは一線を画した立ち位置にあるのは疑いなく、細かな不満さえ除けば十分な高速巡航性能、長距離走行性を有するに至っている。

 もちろん「軽自動車」という法的な規格制限があり、それを前提として税金面での優遇措置がある以上、求める性能上限にも限界があるのは重々承知の上ではあるが、それでもやはりダイハツ等の軽自動車メーカーにはそうした制限内で制限を感じさせないレベルの軽自動車をこれからも開発し続けてもらえればと思ってしまう……自分勝手な話ではあるれけど。

 最近、どうも軽自動車に関する微妙というか不穏な話を良く聞くしね……特にダイハツ。トヨタの完全子会社化はいいけど、何としてもダイハツ独自の信念と路線は捨てずに頑張ってもらいたい。

 このままトヨタの言いなりになるだけの下請け会社にだけはなってくれませんように……いや、別にトヨタが悪いっていうわけじゃないけど。
 ただトヨタがもうひとつの軽自動車の雄であるスズキと提携したってことは、当然スズキにはある程度「気を遣う必要」があり、ならばトヨタ傘下であり軽自動車業界でスズキと勢力を二分するダイハツ扱いは……と考えると、どうしても手土産代わりにされそうな予感が……(笑)

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 想像以上に色々なことが体感できた今回の和歌山は南紀白浜とれとれ市場来訪、このまま問題点を放置すれば今回の経験は一切無駄になってしまうが、今回の経験を活かして改善策を見いだすことができれば、若干とはいえ往復に掛けた交通費が無駄にならずに済む(笑)

 取りあえず考えられる長距離走行性能の改善策は、

  • 運転席シートポジションの見直し
  • シートクッションの追加などによる、シッティングバランスの改善
  • タイヤをワングレード上の高性能のものに交換

 などが考えられるが、まずはやはりこの新車に「乗り慣れる」ことから始めるべきだと痛感。乗り慣れてしまえば、少なくともシートポジションは自然と改善されていくはず。
 クッションの追加やタイヤ交換などは結構コストが嵩むカスタマイズになってくるので、まぁここら辺はおいおい手を付けていくということで……

おまけ:長距離走行時の燃費は……

 カタログ表記では 31km/L というガソリン車ではかなりの高燃費を叩き出している第6世代ムーヴカスタム。その真価は街乗りではなくこうした長距離走行でこそ発揮される……ということで、今回往復分の燃費を見てみると、

 16.4km/L

 うむ、大したことないな(笑)

 ただこれはシステム設定で「給油毎での燃費リセット」を OFF にしているからで、今回の走行のみの燃費効率は停車時の走行データ表示からすると、大体 25~26km 前後とまずまずの数字。多分 300km レベルの走行になればカタログ表記にかなり近い燃費が出そうな感じではあった。

 前モデルの第4世代ムーヴカスタムの燃費が 23.0km/L で、友人達との旅行では4人詰め走行時でぴったり 23.0km の燃費を出したことはある(笑)

 最近三菱が燃費の不正表記でかなり騒がれており、対するダイハツは「当社はそういうのは一切無い」と豪語したため、まぁそういうことだと信じたいかと(笑)

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