自転車メンテ用にラチェットレンチ&トルクレンチを揃えてみた
KUOTA KRYON 購入を機に、自転車メンテナンス用の工具としてラチェットレンチとトルクレンチを新しく買い揃えてみた。
ラチェットレンチは自転車専用というわけではなく DIY にも利用する予定だが、トルクレンチは完全にカーボンフレームのメンテ専用品として、2Nm から対応する低トルク対応のものを購入。
アストロプロダクツ製ラチェットハンドル+Koken Z-EAL のビットソケットセット
ラチェットレンチとして選択したのは、アストロプロダクツの 3/8DR 72T ラウンドヘッドラチェットのショートタイプと、Koken Z-EAL(ジール) のビットソケットセット。購入は共にアストロプロダクツにて。
ラチェットレンチについては当初特に購入の必要性を感じていなかったが、この Koken Z-EAL のヘックスビットソケットセットが 2,000円という格安で販売されていたため、思わず脊髄反射で購入。ちなみに Koken アルミソケットレールは別売りだったが、これもセールで800円程度とかなり安かったので一緒に購入。
サイズは3mm ~ 6mm と自転車整備に最適なサイズが揃っており、長さも 50mm とちょうど良く使いやすい。しかもビットソケットの精度では定評のある Koken の Z-EAL がセットでこの価格となれば、購入しない理由はない。
自転車整備用ラチェットレンチのソケットとしては強いトルクが掛からないように 3/8 インチ(9.5mm)ではなく1/4 インチ(6.35mm)が良いようだが、3/8 の方がラチェットレンチとしては最も汎用性が高く、DIY にも使用することを考えるとこれが一番無駄のない選択かと。
ラチェットハンドルはアストロプロダクツ製の3/8DR 72T ラウンドヘッドラチェットのショートタイプを購入。価格は 2,900円と安価ながら、歯数 72T のプッシュリリース、可動範囲約 180°と必要十分な性能を備えている。
ビットソケットが Z-EAL ならラチェットハンドルも Z-EAL で揃えても良かったが、3/8 インチながら無駄なトルクの掛かりにくいショートサイズで、作業しやすい可動範囲を備えたハンドルは残念ながら Z-EAL には見当たらなかったので……
ヘッドが 180° 範囲で自在に可動するため、細かな部分のボルト相手に抜群の作業効率を発揮してくれる。72T の歯数もカチカチと気持ち良く回ってくれるので、自転車の整備にはまさにうってつけ。
ラチェットハンドルは極論すれば高級品でなくとも良く、ソケット部分さえ高精度の確かなものさえ使用していればボルトを痛めたりすることなくしっかりと作業をこなせるので、そういう意味ではこの組み合わせはベストとは言わずともベターチョイスではあると思う。
トルクレンチはアストロプロダクツ製のプリセット型ビットソケットセットを購入
トルクレンチは色々悩んだ末、やはりカーボンフレームのロードには必要と判断して購入を決意。当初はネットで調べて PWT 製の PTW214 というトルクレンチを購入しようと考えた。
しかし探せど探せどどのネットショップも在庫切れ……調べると既に廃番になっていたようなので、やむを得ず他を探したところ近所のアストロプロダクツに置いてあったトルクレンチを発見、購入することに。
購入したのは「1/4DR プリセット型トルクレンチ ビットソケットセット」。自転車管理に必要な 2Nm という低トルクから対応するトルクレンチはなかなか他にはなかったが、これは見事に自転車の日常整備に必要なトルク範囲に対応していた。
……と言うか、
これ、PTW214 と一緒じゃね?
トルク指定ダイヤルといいデザインといいケースといい、どっから見ても PTW214 とうり二つ。本体に「ASTRO PRODUCT」のロゴが入っていたり、付属するビットソケットの数や種類が異なるなど僅かな際はあれど、多分これは PTW214 と製造元は多分同じ。いわゆる OEM 品かと。
なら結局は巡り巡って、最初に探し求めた PTW214 を最終的に入手したっつーことかwww
PTW214 と比較して他に差異があるとするなら、
PTW214 が人気だった理由のひとつである「校正証明書」が付属していないこと。
ケース内に入っていたのはどうやら説明書らしきもので、どうみても証明書ではなかった。でもこの価格帯のトルクレンチに校正証明書なんて付いている方が稀なので特に気にはならない。
付属する 1/4 インチのビットソケット類もどうやら必要最小限に数が抑えられてるようだが、自転車整備に必要とされる 3mm ~ 6mm はしっかり揃っているので問題なし。どうしても追加が必要ならもっと精度良いの別途購入した方が捗るし(笑)
トルクレンチ本体。エルゴ形状グリップといいインジケーター部分といい、どこからどう見てもやっぱり PTW214。僅かな違いとしてアストロのロゴが入っているのと、バーとヘッド部分が鏡面仕上げになっているだけ。PTW214 は確かもっとザラついた感じの仕上げだったはず。
インジケーター部。対応トルクは2Nm ~ 14Nm とこれまた PTW214 と同じ。基本的に日常整備で使用するトルク値は 2Nm ~ 5Nm 程度。一番強いのでもシートクランプ締付に必要な 8Nm。10Nm 以上はまず使用しない。
グリップの柄にトルク指定ダイヤル。押し込んでからでないとダイヤルが回らないトルクフィックス機能を有しており、作業中に誤ってトルクが狂ったりするのを防止してくれる。
またダイヤルには細かく目盛りが打たれており、これをサブとしてインジケーターのメイン目盛りと合わせれば 0.5Nm 単位でのトルク設定も可能。
でも普通の整備でそこまで微細なトルク管理なんて必要ないけど(笑)
ASTRO PRODUCTS のロゴ。
ヘッド部分。プッシュリリース採用でビットソケットの着脱は容易。トルクレンチのお約束として正ネジ回転方向(締付方向)にしか使用不可。正逆切り替えレバーは付いているけど、基本これは触らない。
注意事項。これもこのようなバネ式トルクレンチのお約束で、収納の際は必ず「最低トルク値」に戻すこと。つまりこのトルクレンチではメイン目盛りを「2Nm」に合わせてから収納する。
ダイヤルをグルグル回せば目盛りは 2Nm 以下にもなるが、これも NG。収納の際は「必ず 2Nm」。これを遵守しないと、トルクレンチの寿命を著しく縮めることになる。
こうした安価なトルクレンチはメーカーでの校正がしてもらえないので、少しでも長く正しいトルク値で使い続けたいなら、使用において守るべきことが結構あったりするのもトルクレンチの宿命。
差し込み角は 1/4 インチ(6.35mm)と、一番小さい規格。1/4 インチでないと自転車管理に必要な低トルクには対応していないトルクレンチがほとんど。
総評:ラチェットレンチは抜群の使い良さだが、トルクレンチは若干の慣れが必要
カーボンフレームの自転車整備に絶対必要と言えばやはりトルクレンチだが、今回購入したトルクレンチのようにヘッドが「カクッ」と折れてクリック音がすることで規定トルク値への到達を知らせてくれるタイプのトルクレンチは、その感覚を掴むまでに若干の練習と慣れが必要。
と言うのも 4Nm 以上ぐらいならそこそこ力を入れて回す必要があるので、規定トルク到達時のクリック音もわかりやすい。
しかし 2Nm 程度の低トルクの場合かなり小さい力でしか回さないので、ヘッドを見つつ注意していないと規定トルク到達時の「カクッ」に全然気付かなかったりする。
初めてトルクレンチを使用するなら、まずはいきなりカーボンではなく他に適当なものでクリックの感触と音がどんなものか練習しておくと本番で安心できる。
どうしてもそれが苦手な場合は、デジタルタイプのラチェットレンチなら音と光で知らせてくれるので分かりやすくてお薦め。めっちゃ高価だけど(笑)
ラチェットハンドルとビットソケットの組み合わせについては、もはや一切の文句なし。全てにおいて最高の使い心地。これまで六角レンチでグルグルと作業していたのが嘘みたいな快適さ。
ただ基本的にラチェットレンチは本締め NG だし、ボルトがある程度締まってないと空回りするという欠点もあるので、六角レンチが不要になるわけじゃないけど。
ラチェットレンチはトルクレンチとは違い自転車整備に絶対必要なわけじゃなく、プロでも使わない人は大勢いるが、1本持っておけば自転車整備以外にも色々使えるので、自転車の他にも DIY などしたりする場合は持っていても損にならないかと。あと所有欲を満たしてくれる(笑)
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