飽和する趣味に溺れる、とある奈良県民の徒然趣味日記。

シマノ E-スポーツバイク試乗会「SHIMANO STEPS TEST RIDE」に行ってきた

2019年4月27日

 全国各地の自転車ショップで開催されているシマノ製電動アシストコンポーネンツ「SHIMANO STEPS」E8080 シリーズ搭載の E-スポーツバイク大試乗会「SHIMANO STEPS TEST RIDE」。
 E-スポーツバイクに興味はあれど先日のサイクルモードライドでは惜しくも乗り逃してしまったこともあり、本日の試乗会はまさに吉報……ということで事前予約までして備えていたほどの期待っぷり。

 ちなみに試乗会会場はもちろん行きつけの自転車ショップ、キタサイクル。引っ越してから結構な遠距離になったので言うほど行ってもいないけど(笑)

第一希望車種はミズタニ自転車 Seraph E-01S

 今回キタサイクルで開催された試乗会では、

  • MIYATA CRUISE
  • MIYATA RIDGE-RUNNER
  • MERIDA eBIG.SEVEN 600
  • MERIDA eONE.SIXTY 800
  • Besv TRS1
  • MIZUTANI Seraph E-01S
  • FUKAYA DAVOS E-600

 などが試乗車として用意されていたのは事前予約で把握済みだったが、今回第一希望として選んだのは、

 ミズタニ自転車の Seraph E-01S。

 選択した理由と言うか、今回の試乗会で確認したかったのは「通勤用自転車として快適な性能とは」ということ。
 この春に転職して現在新たな職場まで自宅から約 18km の道程を自転車で通勤している身としては、やはり「自転車通勤をより快適に」というコンセプトが第一命題となるわけで……

 通勤用自転車に MTB はタブーとはまではいかないが、いい歳したおっさんの分際でいささか空気読んでない感が凄まじいので除外。特に今回エントリーされてる MTB はどれも派手過ぎる……
 残るはクロスバイクタイプの e バイクだが、今回のエントリー内で該当するのはミズタニ自転車の Seraph と、フカヤの DAVOS のふたつ。

 同じシマノの電動アシストコンポを搭載しているがゆえにスペック的には似たような 2 機だが、それぞれの公式サイトなどを確認してみた結果ミズタニの Seraph の方が総合的には好みだったので、最終的には Seraph を選択。

 Seraph のパールホワイト一色のフレームはいささか地味だが、逆に言えばどんな環境にもオールマイティで馴染みやすいカラーで、車体名を考えるとベストマッチとも言える(Seraph=熾天使)。

 バッテリーはダウンチューブ用の BT-E6010 を搭載。定格容量 393Wh で、フル充電時エコモードでは 100km を越える航続距離を持つ。

 ブレーキ、シフター、そしてディレイラーなどは Deore グレードで統一。

 ブレーキは雨天時にも制動力を維持できると言われるディスクブレーキで、これまた自転車通勤向けの素敵仕様。実のところ今回の試乗会は e バイク以上にディスクブレーキの具合確認の意味合いも大きかった。

 何せ生粋の雨男がゆえに、どんなに天気予報に気をつけていても通勤中にいきなり振られるなんてザラなんで。その度に猛スピードで摩耗していくブレーキシューとリムは非常に心臓に悪い……

 シマノの電動アシストコンポのシステム操作ユニット兼サイコンとなる SC-E6010。画面は一般的なサイコンよりも大型で視認性が高く、操作は左レバーに装備されたスイッチユニット SW-E6010 でハンドルから手を離さずに行えるため、操作性も良い。
 このユニットで走行速度、ケイデンス、走行距離などの一般的なサイコンとしての機能を確認しつつ、電動アシストのモード切替やバッテリー残量、航続距離の確認などを全て行える。

 Seraph は昭和20年代に発売されたミズタニのオリジナルブランドの名称で、当時の Seraph に使用されていたベッドバッジを模したロゴがヘッド部分に描かれている。
 これはこれで味わい深いモノがあるが、お値段 40 万近い車体なんだからできればそこは昭和 20 年代当時同様ベッドバッジを付けても良かったんじゃないかと。

 ヘッドバッジは少々残念だったが、その他の装備品については一切の文句なくどれもが合格点どころか超高評価。サドルにはまさかの Selle SMP が標準装備。
 グレードは TRK Medium とそんなに高グレードのものではないものの、抜群に尻にフィットするその乗り心地は非常に良くさすがは Selle SMP。

 さらにタイヤには Continentalの Ultra Sports 32C が標準採用。初期装備のサドルが Selle SMP、タイヤが Continental というのはロードバイク基準でみても相当豪華な仕様。

 今回の試乗会では一応お薦めのコースは設定されているものの、時間内でなら好きなコースを走って構わないとのことだったので、勝手知ったる地元を時間いっぱい存分に走り尽くすことに。

今回の試走で e バイクの真価を知る

 本日は前日までの雨も何とか朝方までには上がったようで、晴天とまで行かずともギリギリ曇天で天候は維持。しかしながら朝から台風の前兆かと疑わんばかりの強風が吹き荒れていたが、これは考えようによっては

 e バイクの試乗評価としては最高の環境

……と言えなくもないので、強風の中いざ出発。

電動アシストの真価は平地巡航中ではなく、ストップ&ゴーのアシストにこそ存在する

 電動アシストを初体験して感じたことをひと言で言うなら、

 ずっる!電動アシストずっる!

 だった(笑)

 もう楽。超楽。何が楽って、ストップ&ゴーが何より楽。

 シマノの電動アシストには「ECO」「NORMAL」「HIGH」を選択できるが、最もアシスト力の強い HIGH を選択すると、信号などで一旦停止後の再発進の際、車体がグイッと前方に強烈に引っ張られて速度が一瞬で15km ~ 20km 程度まで引き上げられる。
 このアシスト力は想像以上に強大で、ストップ&ゴーが多い街中での走行のストレスが激減する。また最発進時の速度域が一気に 20km まで加速する関係上、巡航速度はいつも通りでもサイコンが記録する最終的な平均速度は当然向上する。

 これはズルい……反則やでぇ……

 対して平地での巡航中の電動アシストは、普段からクロスバイクやロードバイクに乗って時速 25km ~ 30km 前後の速度域で走っている人間にとっては別段どうということはない程度。
 Seraph の車体重量が 17.5kg とママチャリとタメ張る高重量な関係上、電動アシストが切れる時速 24km 以降での速度域では逆に重量が仇となって走り辛さを感じることも。

 とは言え Seraph 自体はグラベルロードの設計を採用した走行重視のジオメトリのフレームのため、いくらママチャリと同レベルの重量とは言え、一度走り出せば巡航速度の維持は容易く、乗り心地もママチャリとは比較にならないくらい軽い。

坂道発進で電動アシストの力に恐怖を覚える

 今回の試乗ではお薦めコースから少し外れ、裏道まで知る地元民ゆえの地理を活かして少しばかり長めの走行をしてみた。
 その中で平地、登り坂、下り坂それぞれを試して見たが、巡航中の電動アシスト力は既に紹介した通り、普段ロードで時速 30km 前後で走り回っている身としてはどれも特筆すべき点はあまりない。

 ……が、ひとつだけ絶句したのが、坂道で一旦停止してからの坂道発進。

 電動アシストの真価は街中でのストップ&ゴーにあるとしたが、その真価は登り坂途中でのストップ&ゴーにこそ如実に現れた。
 折り返しからのキタサイクルへの帰還途中、平均斜度 25% 程度の細い坂道で自動車とすれ違い一旦停止したが、その後の坂道からの再発進で電動アシストの恐ろしさに気付く。

 平均斜度 25% の坂道でペダル踏んで次の瞬間時速 18km とか何の冗談だよ。

 最初は平地でのストップ&ゴー同様「お、グイッと来たな」と思ってたら、そのままグイーっと持ってかれて一気に速度は時速 20km 近くになり、残りの坂道を何の苦労もなく走破。汗も一滴もかかず。

 何これ怖い……

MERIDA eONE.SIXTY 800 にも試乗して、電動アシスト力を比較評価

 Seraph での試乗を終え、電動アシストの快適さ及び恐ろしさを垣間見つつキタサイクルに戻ってきたら、まだ時間に余裕があったので、もう一台試乗することに。

 次に選んだのはメリダの eONE.SIXTY 800。どうもこれはまだ未発売の機種らしく正式な発売は今年の 9 月で、しかも予約限定販売とか……

 eONE.SIXTY 800 は前後フルサス仕様の本格 MTB。ハンドル幅超広い。

 リアサス装備の MTB は超久々に見たような気がする……バッテリーは 504Wh の大型を装備。コンポは SLX グレードに一部 XT グレードを取り入れた仕様に。

 サイコン部分は Seraph と同様。これにガーミンの Edge シリーズ同様ナビシステムも搭載されるともう無敵感がもの凄いことに……

 eONE.SIXTY 800 で最も驚いたのが、左レバーのサイコンスイッチの横にあるこのレバー。何とこのレバーでシートポストの高低を操作できるドロッパーシートポストを採用しているとのこと。
 ドロッパーシートポストとは要は油圧で高低を調節する事務用の椅子のようなシステムで、このレバーを押しながらサドルに座ればシートポストが体重で下がり、腰を浮かせば逆に上がるというもの。

 一度ポジションさえ決定してしまえばそうそう多用することはないだろうが、それでも走行しながら自分のベストシートポスト高を追求できるというのは実に素晴らしいシステムと言える。

 eONE.SIXTY 800 は重量 22.5kg と、ここまで来ればもう下手なママチャリやシティサイクル勢よりも高重量となってくるが、電動アシスト力がその高重量の不利を補って余りある働きを見せるため、平地、坂道いずれの走行も全く苦に感じなかった。

 もしかしたら平地での巡航は Seraph の時よりも大きな恩恵を受けれたかもしれない……

 試乗用自転車には他にもミヤタの RIDGE-RUNNER や CRUISE などがあったが、さすがに時間も迫っていたので試乗は断念することに。

総評:通勤用自転車として電動アシストコンポ搭載の e バイクはアリかナシか

 今回の試乗で感じた電動アシストコンポ搭載の e バイクの特徴をまとめてみると、

  • 一旦停止後の再発進が非常に楽で、ストップ&ゴーが多い街中では最強
  • 坂道発進も平地と変わらずこなすので、坂道が多い地域では非常に楽
  • 時速 25km 以上ではアシストが切れるため、時速 20km 前後で無理なく走行するのに最適

 となる。ならば果たして電動アシストコンポ搭載の e バイクは自転車通勤に最適と言えるか否か。その答えは、

 現時点では最適とは言えず、まだ少々微妙

 と、個人的には判断した。

理由1.信号待ちや踏切待ちでのストップ&ゴー以外に、電動アシストを活かせる場面がない

 自転車を発進させる際の電動アシストのアシスト力は割と想像を絶するレベルの快適さだったのは間違いないが、逆に言えば自身の自転車通勤環境ではそれ以外に電動アシストを活かせる場面がない、というのが第一の理由。

 自転車通勤コースは距離こそ 18km とそこそこあれど、基本的には川沿いの平坦な自転車道をほぼ真っ直ぐ南下するだけの超イージーコース。
 途中に障害らしい障害はほぼ何もなく、一般道と交差するポイントも数ヶ所程度。その中で信号に引っかかる可能性があるのはわずかに 2 ヶ所(迂回ルートによっては 3 ヶ所)のみ。

 サイコンが記録する平均時速は毎日ほぼ 22 ~ 23km 程度で、巡航速度は大体 25km ~ 30km と電動アシストのアシスト外の速度なので、本当に電動アシストが活躍する場面がほぼないという悲しい現実……まぁ日々通勤する分にはこれ以上無い最高の環境ではあるのだが(笑)

 強いて言えば通勤コースは完全な平坦では無く、奈良は盆地がゆえに中心部から東西南北どの方角へ進もうとも道程はよほど気にしていても果たして気付くかどうかというぐらいに微妙な斜度が付いている。
 通勤コースの場合、行き(北⇒南)は本当に微妙(斜度 0.3% 程度)な登り坂になっているため、帰宅時(南⇒北)に比べて極々わずかに平均速度が落ちるのは確か。

 よってこの超微妙な斜度分のアシストをしてくれるというのなら、確かにサイコンのデータ上は自転車通勤が快適になる……はず。体感できるかどうかはさておいて。

理由2.緊急時のメンテナンス性が未知数

 これは結構自転車通勤者にとっては死活問題。通勤中のトラブルが発生した場合、走行可能な状態まで回復できるのに一体どの程度時間が食われるのか現時点では全く分からないのはかなり痛い。

 電動アシストはバッテリーが切れたり断線したりなどのトラブルで稼働しなくなった場合、電動ユニット類は一瞬にして単なる重りに変貌してしまい、走行に物理的に支障を来してしまう。
 走行不能とは行かずとも速度の低下、体力の消耗は否めず、また万が一アシスト停止が原因で走行自体が不能になる可能性があるのなら、出先での復帰は可能なのか?もし可能ならかかる時間は?などの疑問も多く出てくる。

 その点従来の機械式コンポ搭載のクロスバイクやロードバイクなら、万が一のトラブル時の修理は既知の技術、既知の道具、そして走行再開までの大体の時間までも把握しているので、安心感が段違いに高い。

 もちろんこれらは慣れの問題でもあるし、何よりも天下のシマノの電動アシストなら万が一のトラブル時のことも当然想定済みであろうことは疑いないので、気にし過ぎな面も多々ある。
 ……が、遅刻はまずいのよ、遅刻は。プライベートでの走行ならどんなトラブルでもドンと来いやぁ!でも、通勤時は絶対 No!と言うのは自転車通勤者共通の意見だと思う。

 よってそこら辺の情報がキッチリ出揃い把握できるまで、自転車通勤用として電動アシストに手を出すのはいささか勇気が必要になる。自転車通勤において必要なので快適性 < 信頼性なので。

理由3.高価なのが最大のネック

 まぁはっきり言って、

 e バイク購入するなら通勤用フルカーボンロードもう 1 台買うわ。

 って話になる。で、実際買えてしまう。それぐらい e バイクは高価。

 例えば今回試乗した Seraph でお値段税別で 38 万円。eONE.SIXTY 800 に至っては約 43 万円。

 我が愛車、フルカーボンの KUOTA KRYON より高級品やんけ!

 正直こんなのを毎日通勤に使い倒し、会社敷地内とはいえ終業まで放置とかちょっとあり得ない。しかも猛暑の日もあれば豪雨の日もあるってのに、そんな過酷な環境下で酷使し続けるのはちょっと心臓に良くない。

 電動アシストにもっと明確なメリットを感じられたなら、あるいは購入にもっと前向きだったかもしれない。それだけ電動アシストの力は衝撃的だったので。
 しかし現状の通勤環境では電動アシストはどうも宝の持ち腐れっぽくなりそうなので、そんな状況で 40 万円前後の現金をパッと支払えるほどぶっ飛んでもいないので。

 もしこれが、行きか帰りかどちらかが激坂オンリーな心臓抹殺コースだったり、信号待ち余裕で 20 回越えストレスエンドレスコースだったら、多分購入を考えたかもしれないが……

 まぁ色々言ったけど、要は「自分の自転車通勤環境だと価格に見合ったメリットを見出せない」っていうのが最大の理由になる。
 メリットを見出せないのはあくまでも「私自身の自転車通勤環境」なので、中には「電動アシストを搭載した e バイクこそが最高の通勤用自転車だっ!」という人だって当然いると思う。

 ただ今回の試乗会で電動アシストへの興味は明確に向上したので、もし今後価格がもっと熟れて 10 万円台から 20 万円台前半程度に収まってくるようであれば、十分に購入を視野に入れるようになると思う。

 まぁ、結局価格だよね、価格……

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