飽和する趣味に溺れる、とある奈良県民の徒然趣味日記。

NOMADOI(ノマドイ)のラウンドファスナー長財布を購入してみた

2015年5月23日

 最近10年以上もの付き合いとなる愛用の財布がボロボロになっていたのにふと気付き、新たなる財布を購入するべく色々と財布に関する情報収集を行っていた。
 正直これまで財布には何のこだわりもなかったが、これも良い機会と思いそれなりの財布を購入してみてもいいんじゃないかと思い立ち、素材やブランド、形状など様々な要素を検証してみた。

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 そして吟味を重ねた結果、最終的に選んだのは NOMADOI (ノマドイ)というブランドのダブルラウンドファスナータイプの長財布。いわゆる2室ジップタイプの大容量型長財布。ちなみに商品スペックは以下の通り。

 NOMADOI というブランド名を知ったのは、財布を色々と物色していた今回が初。立ち寄ったサックスバーアナザーラウンジという店で「大容量長財布ならこんなブランドもあります」と紹介してもらったのが NOMADOI との出会いだった。

 その後候補のひとつとして色々とネットを駆使して調べてみると、驚くほどに NOMADOI の財布に関する情報が出ない……一応公式サイトはあるが、そこでも詳細な情報は得にくいというちょっとびっくりな状態。
 色々調べてみたところ、どうやらまだ登場して数年程度のブランドのようで、現時点までに第三弾まで登場している NOMADOI の財布シリーズの最初である第一弾にあたる今回購入した ALABAMA も、2012年末頃に出たばかりとのこと。

 ネット上に不自然なぐらいに情報が乏しく、取り扱い店舗も限られているという実質的に果てしなくノーブランドに近いブランドな NOMADOI。
 しかしモノとしては造りも質感も文句なしの逸品であるのは間違いないので、そこで今回は少しばかり NOMADOI について詳細なレビューを挙げてみようかと。

新たな財布購入にあたり、まず考えた条件

 今回財布を購入するにあたり、

  • 革製であること (革の種類についてはこだわりなし)
  • 長財布であること (最初の時点では長財布の折り畳み型を考えていた)
  • カード収納数が多いこと
  • 予算は1万~2万円程度
  • 日本製であること

 というのが自分に設定していた条件で、まずはこの条件を元に色々なブランドの調査を開始。有力候補は先日購入したワンショルダーバックと同ブランドのPORTERの長財布や、ネットで検索すれば非常に多くのレビューなどを目にすることができるココマイスターなど。

 ただ実際には上記の条件さえ満たせばブランド自体には大きなこだわりはないので、そこら辺は大して気にはしていなかった。
 ただブランドはさておき、私はとにかく有名海外ブランドよりもさして名は売れていなくても質剛健を地で行く国産品を何かと好むタチなので、「日本製」であることには少しこだわっていた。

 結局最終的に選んだ NOMADOI の財布はそれらの条件のほぼ全てを満たすも、お値段は何と予算超オーバーの税込27,000円となってしまった次第で……でも後悔はしていない。そう思えるぐらいには良い買い物だったと確信できたので、まぁいいかと(笑)

NAMADOI、開封の義

 それでは製品レビュー恒例の開封の儀。今回 NOMADOI を購入したのは、奈良県は奈良市西大寺の奈良ファミリー4階にあるサックスバーアナザーラウンジ大和西大寺にて。
 グランサックス系列店だと奈良ではイオンモール橿原アルルのギガスタ奈良橿原、大阪だとヨドバシ梅田にあるグランサックス梅田ヨドバシなどにも一応取り扱いがあるが、今回は最初に NOMADOI をご紹介頂いた縁からこの店で購入することに。

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 ……というか NOMADOI 自体まだ登場して数年程度のブランドなので全体的に取り扱いが少なく、情報にも乏しいのが唯一の悩みの種だったり……
 でも取り扱い店舗が少ないのは新登場ブランドの宿命としても、ネット上での情報公開なんかはもっと力入れて頑張ってもいいんじゃないかと思うの。

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 公式サイトでも紹介されている、こだわりのボックス。明記されているのは「NOMADOI」のブランド名と、日本の職人技への尊敬の念を表現しているという “HANDMADE IN JAPAN” の刻印。
 NOMADOI のブランド名は遊牧民を意味する「NOMADO (ノマド)」から来ているらしく、最近ではノマドワーカーなどで有名になった言葉。そう聞くとあんまり良い意味に聞こえないのが難点か(笑)

 NOMADOIというブランド名、そして日本製であることについてのこだわりは公式サイトで詳しく紹介されているので、一度ご参照あれ。

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 開封。財布本体はきちんと不織布で覆われている。

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 内側には日付の刻印。

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 不織布から取り出した本体。英語の表記のメッセージが添えられたタグが付属。

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 NOMADOI の全ての財布に刻印されている “HANDMADE IN JAPAN” の文字。別に海外製が悪い、嫌いというわけではないが、やはり日本製の国産品は安定した安心感がある。
 存在するのが海外ブランドオンリーならば致し方がないが、バッグや時計、その他日用品は海外の同等品と比較して多少高額になっても基本日本製で揃えるようにしている。

 特に精密機器やこうした縫製品なんかは、やはり日本製が安心できるので。

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 タグ裏側にはメッセージの続き。

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 ボックスにも刻まれていた、「01.NOV.2012」の日付。

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 NOMADOI の「NOMADO」は「遊牧民」の意で、最後の「I」はメーカーのヤマニ創業時代の稼業であった「藍玉 (INDIGO)」の頭文字及び、あなた(ユーザー)自身を表す「I」の両方の意味らしい。

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 裏側にはバーコードと商品情報。実はこの財布、ブラウン色に見えて実はチョコ。公式サイトでのカラー展開はブラックとチョコの2色のみだが、グランサックス系列オリジナル色として他にも色々とカラフルなカラーがあるらしく、その中にブラウン色が別途用意されていた。

 ブラウンはチョコに比べて結構明るめの色で、感覚的にはこのチョコの方が普通のブラウンに近い濃い色合いだと感じた。

NOMADOI ALABAMA 財布内部レビュー

 ではここから財布の内部確認。

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 外革は北米産ベジタブルタンニン (牛皮)で、内革はゴートオイルレザー、つまり山羊の皮が使用されており、外側と内側で手触りが全く違う。
 実はこの質感こそが第3弾まで出ている NOMADOI の財布シリーズから、わざわざ一番最初期の第一弾モデルのこの ALABAMA を選択した理由でもある。

 第二弾の MONTANA(モンタナ)、そして現時点での最新となる第三弾の COLORADO(コロラド)と比較して、デザインの違いや実際の在庫の有無などの要因もあるにはあったが、実際に触れてみた質感的にこの ALABAMA の内外の革の質感の差が選択の決定的な差となった。

 何というか、ALABAMA の内革に使用されているゴートレザーはザラザラしていて、非常に革革してる感がある(笑)

 対して第三弾の COLORADO は内外共にベジタブルタンニンレザー製で、滑らかさはあるもののそれが少々味気なく感じてしまい、第二弾の MONTANA に至っては水牛の角製のファスナー引き手が凄く気にはなったが、それが大人気のためかほぼどこも完売状態で実物に触れる機会がなく、唯一触れることができたのは長期間の展示ですっかりエイジングされ尽くした二つ折り財布のみだったので正直イマイチだった……

 まぁここら辺は好みの問題もあるので、どれが良いか悪いかではないとは思う。

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 小銭入れ部分のファスナー。引き手ももちろんゴートレザー製。そしてファスナー本体は信頼の YKK 製……というか YKK 製以外のファスナーってまずお目にかからないけど(笑)

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 小銭入れ内部。内部はリネン張りなので小銭による傷が付きにくい。

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 財布内部にも「NOMADOI」のブランド名と、”HANDMADE IN JAPAN” の刻印。ちなみに外革には何も刻印されておらず、あくまでもシンプルイズベストを貫いてる。

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 2室の内ひとつは丸々カード専用。全部で18枚収納可能な上、平ポケットもふたつあるので全てをフル活用時の収納力はかなりのもの。
 ただ、クレジットカードなど厚みのあるものをフルで収納すると財布がかなり膨れあがってしまうので、カードは薄い物と厚い物を交互に入れるなどして、なるべく重なりを作らないようにするのがいいかも。

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 当然ここも質感抜群のゴートレザー製。縫製もかなりしっかりとしているため開封直後は少し固さがあるが、多分使い続けていく内に良い感じにエイジングされていくかと。

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 平ポケット内はリネン張り。ここには規格よりも大きめのカードや紙製のスタンプカードなど、カードホルダーに入れ辛いものを収納できる。

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 財布フル展開。2室ジップは財布自体結構な厚みになるため好き嫌いが分かれそうだが、お札&小銭スペースとカードスペースを完全に分離できると財布内がすごくスマートになるし、何より収納性が桁違い。

NOMADOI ALABAMA 財布外観レビュー

 お次は外観レビュー。外革はベジタブルタンニンレザーという、牛皮を植物由来のタンニンで鞣したものとのこと。
 元来タンニンとは植物の渋のためタンニン鞣し=植物由来だったが、近年では化学薬品で鞣しを行うクロム鞣しという方法が主流のため、それと区別するためにわざわざ「ベジタブル」の名称を用いてるらしい。

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 ベジタブルタンニンレザーは自然な色合いと経年変化を楽しむことができる反面、色落ちしやすく水分によるシミなどの汚れやカビの発生などの劣化にも気を遣うとか。
 ただそれは革製品ならどんなものにも付きものな宿命のようなものだし、その手間も革製品の魅力のひとつ。縫製さえ手抜きなくしっかりされていれば、外革のメンテは個人でも十分可能。

 まぁ世の中には縫製に綻びが生じたら自分で縫い直す猛者もいるようだが……

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 ファスナーの引き手部分も革製で、結構しっかりとした硬い作り。しかも小さな部分ながらここは革が丁寧に編み込まれている構造で非常に高級感溢れており、この ALABAMA の特徴のひとつとなっている。
 ちなみに第二弾の MONTANA はこの引き手部分が水牛の角で作られており、第三弾の COLORADO はロゴ入りの亜合金製仕様。

 引き手の凝り具合と高級感で言うならば断然水牛の角だが、多分そのためか第二弾の MONTANA は現在既にほぼ完売状態で、入手は極めて困難な模様……

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 ウォレットコード取り付け部分も同様に革が編み込まれた仕様となっており、これらはイントレチャートという技法らしく、イタリア語で「手編み込み」という意味があるとか。

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 引き手部分ひとつ取っても繊細な造りとなっており、非常に高い満足感と所有感を得られる。これだけの手間暇がかけられているというのなら、確かに27,000円という価格もやむを得ないと納得してしまう……実際に貯金残高に受けたダメージは別として(笑)

NOMADOI ALABAMA 総評

 最後にこれまで愛用し続けていた財布の、最期の勇姿を……

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 購入したのは今は潰れてもう存在しない、地元のジャスコにて。大学入学時には既に所有していたはずなので、少なくとも15年以上は使っていたことに。
 お値段の方は定かではないが、少なくとも大学入学前の高校生の身分で購入できたってことは1万円は絶対にしていない。これでも一応本革製ではあるけれど、

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 布の上に文字通り薄革一枚張ってあるだけの仕様なので、もう隅から隅までボロボロな状態に……

 この財布は雨の日も風の日も、雪に埋もれて遭難しかけていた時も川に流され水没した時も海の事故で脚の靱帯ぶち切った時も車に撥ねられて宙を舞った時も常に肌身離さず共にあり続けた、もう酷使に酷使を重ねまくってきたにも関わらずここまで頑張ってくれた盟友のようなもの。

 ちなみにコレ、恐ろしいことに全部実話なのよね……

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 これまでの人生で小銭入れか二つ折り財布のどちらかしか持ったことがなかったけれど、これで晴れて人生初の長財布デビュー。その最初のひとつとして、運良く NOMADOI の財布と巡り会えたのは本当に僥倖だったかと。

 実は最初は PORTER CURRENT の折り畳み長財布か、あるいはココマイスターのマットーネ オーバーザウォレットあたりを有力候補に挙げていた。
 しかし PORTER CURRENT はカード及び小銭収納時の厚みに対する強度に若干の不満があり、ココマイスターのマットーネオーバーザウォレットは中々実物を手にする機会がない上にさすがに予算がオーバー過ぎて迷いに迷いまくっていたところ、 NOMADOI という聞いたこともないほぼノードブランドなブランドを知ることになった。

 最初は少し敬遠していたものの、実際に手に取って触れた質感、そしてその収納力には驚かされ、それから次第に気になるようになってしまった。

 最後の最後まで最終選定に残り続けたのは、

 上記5点だったが、最終的には質感、価格、収納力の全バランスが最も優れていた NOMADOI ALABAMA ダブルラウンドファスナー長財布が残った。
 実はカード収納力は ALABAMA のシングルタイプのラウンドファスナーの方がカード21枚収納と優れていたが、シングルの厚みでカード21枚フル収納はさすがに見た目がヤバいことになった(実践済)ので、結局多少大型になるがダブルタイプの方を選ぶこととなった。

 特定のブランドのみを狙っている、あるいはブランド名のみを評価するというならともかく、ブランドには一切拘らず、ただ単に財布の質のみで評価したいというならば、NOMADOI の財布は認知度は低いながら十分お薦めできる。

 唯一の難点がネット上に存在する情報は極めて少なく取り扱い店舗も限られてるため、情報収集にはえらく苦労するということだが、今回のこの記事でいくらかその不足分を埋めることができたなら何よりかと。

 ただ、今回選定に漏れたその他の財布達に対する未練が NOMADOI で払拭されたかと言えばそうではなく、状況に応じてもういくつか財布を持っていてもいいんじゃないかという考えが頭をよぎっていたり……

 具体的にはココマイスターのマットーネオーバーザウォレットの、その丁寧に編み込まれた革の外観が非常にインパクトに残っているので、ビジネス用というかフォーマル用としてひとつ持っておきたいとか実に財布沼的な思考に囚われている自分をリアルタイムで実感してる(笑)

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 上記がマットーネ オーバーザウォレット。上記の色はブランデーだが、個人的にはビターチョコの方が好みかも。どちらにせよ一見してすごく高品位な印象なのが分かる。
 個人的には普段使いをするには少しためらってしまうような外観と意識が飛びそうなお値段だが、もし機会があれば是非とも手にしてみたい……

 積極的な Web 販売戦略のためかネット上では色々と噂されることが多いココマイスターだが、実際に実物に触れてみないことには最終判断はできないものの、個人的に見る限りはモノとしては確かに悪くないかと。

 ……まぁどのみち先立つものが既に消滅済なので、まだしばらくは先の話になるけどね……

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